建築は素材をごまかしません
建物は見た目を取り繕います
建築は想像を超えた豊かさをもたらします
建物は宛行扶持な豊かさをもたらします
建築は年月を経るにつれて住み手とともに熟成、成長します
建物は年月を経るにつれて劣化、陳腐化します
建築は住まい手のみならず世代を超え人々を魅了します
建物は住み手の欲求を充足し、やがて使い捨てられます
建築は都市に新たな表情を与えます
建物は都市に埋没します
私どもは建築づくりを行なっています
私どもはそれを「素材」「知恵」「技」「想い」だと考えています
それらが調和して初めて実現するものと考えています
天然の材料は適切な手入れと用い方で年月とともに味わいを深めていきます
無垢な材料にはその材料固有の質感、手触り、重量感、硬さ、凹凸などの表情があります
わたくしどもは可能な限り天然材料、無垢の材料を用いています
それは天然材料の味わいや無垢な材料の豊かな表情がその建築、
そしてひいてはその建築での営みの豊かさにつながると信じるからです
わたくしどもは材料の用い方を精査し
施工方法を職人と細部にわたって協議し、協働ています
建築はそこでの住まう人の営みに豊かさを添えるものです
そして建築の多くは土地に根付くものです
住まい手はその建築に対する強い想いがあります
そしてその建築が建つ場所にはそれぞれ固有の気候、地理、風土があります
それらの調和なくして建築は実現しません
わたくしどもは住まい手との対話を大切にしています
そしてその場所が持つ性質を深く観察しています
そうしてその建て主、その場所でなければつくりえない建築づくりを行なっています
天然の材料や無垢の材料を用いるためには優秀で経験豊かな職人を必要とします
美しいものづくりは志と美意識を持ち合わせた職人を必要とします
わたくしどもは施工者を吟味しています
そして高い技と志を持つ施工者と協働しています
建築をつくりだすのは技術ではありません
人の想いがつくりだすのです
建て主、施工者、設計者の3者の想いが
1つになって初めて可能となると考えています
わたくしどもは建て主との対話を大切にしています
建て主の想いを深く知るためです
わたくしどもは職人との対話を大切にしています
職人に建て主の想いを伝え、彼らの想いと重ねるためです
建て主そして職人との対話を重ね、互いを知り、
同じ価値観を共有しあうことを大切にしています
わたくしどもは共感していただける方に
1つ1つ建築をつくっています
そのために建て主に時間と費用と手間をお願いすることとなります
あらゆるものが手軽に手に入る今日においてその経験は新規なものかも知れません
しかし、建築は多くの方にとって生涯を共にするもの
だから、そんな時代であっても住まい手とともに味わいを深めていく
建築が必要だと考えています
赤崎盛幸 Moriyuki Akasaki
赤崎デザインビューロ代表 / デザイナー
1974年 京都府生まれ
慶應義塾大学総合政策学部卒業
学生時代環境デザイナー水戸岡鋭治氏に師事
社会人生活を経験したのち 建築設計者をこころざして早稲田大学芸術学校に入学
卒業後 建築設計事務所において8年間修行ののち
2013年 赤崎デザインビューロ設立
建築に限らずインテリア、家具、プロダクトなど「その場所にあって欲しいもの」という視点から作り手と語らいながら1つ、1つモノを作り出す。そんな活動をおこなっています。